痔ろうとは肛門腺が細菌感染することによって膿がたまり、肛門周辺に穴が開いて膿が出る症状をいい、あな痔ともいわれています。痔ろうは薬で治すことができず、手術のみ完治が期待される治療法といえるでしょう。程度によって手術法などは変わってきます。軽度の場合は、膿の通り道に沿って切開し縫合せずにそのまま開放する瘻管切開開放術が行われます。重度になると瘻管切開開放術を行うことによって肛門括約筋が損なわれてしまい、肛門がゆるくなったり変形したりする可能性がでてきます。そのため便が漏れやすくなったりするなどのトラブルを引き起こす場合があるのです。そこで、膿がでる瘻管のみを除去し括約筋の処置を行わずに膿の入口を縫合する括約筋温存術が行われます。他にも瘻管を強く縛って圧迫することによってゆっくり切開していくセトン法などもあり、一言で手術といっても様々な方法があります。最近では医療機関によって日帰り手術が可能なケースもあります。再発率も2割程度で、手術を受けることによってほぼ完治する病気といわれています。しかし放置しておくと、稀にガンに発展する可能性もあります。そのため早めに専門医に受診して治療を行うことが大切なのです。